■ クリスマス・ピラミッド・その3

aquio2006-11-16

クリスマス・ピラミッド組み立て二日目。
午後十一時から組み立てを始める。
飼馬桶に入ったキリスト、マリア、ヨセフ、
鉱山教会の聖歌隊、ラッパを吹く天使、
鉱夫たちのパレード、サンタクロース、
梯子を持ったシュバルツ・ペーター、
おもちゃ売りの少年と少女・・・。
六枚のプレートの上に四十体の人形を取り付ける。
少しずつ少しずつピラミッドが完成していく。
睡眠が足りたのだろう、
昨日よりも職人たちの動きはキビキビしている。
途中、電球の数が足りないことに気付く。
ピラミッドには二十四個の電球が要るのだが、
どこを捜しても電球は二十個しか、ない・・・。
二百二十ボルト・六十ワットの電球。
時間は午前四時。
この時間では商店街も開いていない。
また、二百二十ボルトの電球など、そう簡単に見つかるはずもない。
電気回路の電圧を二百二十ボルトから百ボルトに変更し、
取りあえずは日本製の電球で間に合わせることに決める。
似たような形状の電球なら手に入るだろう。
そうでもしなければ、間に合わない。
電気のことは後回しにし、組み立てを急ぐ。
このように、制作の現場では何が起きるか分からない・・・。
午前七時、組み立て作業終了。
職人たちをホテルに送り届け、その足で職場に出勤する。
とうとう徹夜になってしまった・・・。