■ 転職・天職

aquio2007-01-02

酒も飲んだ、みかんも食べた。
炬燵に足を入れて寝転がっていると、
「僕、転職しようかと思ってる」、
といきなり息子のSが言う。
「そりゃまたなんで?」、と訊くと、
どうにも会社の体質が合わないらしい・・・。
息子はいわゆる「IT」関連企業に勤務しているのだが、
会社の主たる事業は金を転がすことであり、
いったい自分の仕事が何の役に立っているのか、
その辺りの自覚が希薄なものになっている、という。
いろいろと話を聞きだしたが、
息子の判断は正しいように思える・・・。
「で、次はどこに就職するの?」、と訊くと、
「○○プロセス」という会社に勤務することを望んでいるという。
「プロセス」という名称から判断して、過去は製版業であったのだろう。
小さな印刷会社であるらしいが、
彼の性格と才能に似合った職場であるように思える・・・。
その人間の天性に最も似合った職のことを「天職」という。
昔、野坂昭如
「ソ・ソ・ソクラテスプラトンも、みんな悩んで大きくなった」と歌っていた。
確か、どこかのウイスキーのCMソングだったと思うが、
確かに、悩まなければ人は大きくなれない。
息子も大いに悩み、大いに恥をかけばいいのだと思う。
しかし、人生はとても短い。
天性に似合った仕事を見つけられる人間は幸せだが、
仕事に似合った自分を見つけるのも、
ひょっとしたら、幸せであるのかもしれない・・・。