■ ある日の男と女
その昔、池袋「LOFT」の五階(四階?)に
「アトリエ・ヌーボー」という名のギャラリーがあった。
①二週間にわたるギャラリーの使用料は無料です。
②五千枚の案内状はヌーボー側で用意します。
③案内状はすべてヌーボー側の経費で発送します。
④作品は自由に販売してください。
⑤ヌーボーはその販売手数料を徴収しません。
⑥売り上げはすべて作家のものです。
夢のような条件のギャラリーだった。
新進作家たちの登竜門のようなギャラリーだったが、
当然、そこには厳しい審査と審査基準があった。
「アトリエ・ヌーボー」は、
あの「堤清二」氏の肝いりで作られたギャラリーだった。
「ヌーボーは『文化』を売るスペースである」
それが「アトリエ・ヌーボー」のコンセプトだった。
今日、その「アトリエ・ヌーボー」の審査員でいらっしゃった
Hさんからお手紙を頂戴する。
今、Hさんは経堂にお洒落なギャラリーを持っていらっしゃる。
「ヌーボーから巣立っていった方々の展覧会を予定している」
「展覧会のタイトルは『ある日の男と女』」
そのような内容のお手紙だった。
「男と女」は私が得意とするモチーフ。
さて、どのようなおもちゃを作ろうか・・・。
手元にあったメモ用紙にアイデア・スケッチを描きなぐる。
しかし、徐々にアイデアがエロティックなものになっていってしまう。
「エロス」は私がもっとも得意とするモチーフであるが、
「18禁」のアイデアばかりが浮かんでは消える・・・。
しかし、要はこのアイデアをどのように洗練させるかが問題なのである。
モチーフは同じであっても、「露骨」は嫌われるものなのである。