■ MUSTANG FASTBACK・その1
車のブレーキには、
ドラムとディスクの二種類がある。
ブレーキの利きという点では、
ドラムもディスクもあまり変わらないが、
しかし、ドラム・ブレーキには大きな欠陥がある。
ライニングと呼ばれる摩擦材を貼り付けたシューを
ドラムの内側から押し付ける。
それがドラム・ブレーキの機構の原理だが、
ドラムの内側に摩擦熱がこもる、という欠陥がある。
ドラムの中には発生した熱の逃げ場がないのだ。
結果、坂道でブレーキを多用したりすると、
「フェード現象」や「ヴェーパーロック現象」が起こる。
つまり、ブレーキの利きがあまくなったり、
ブレーキが利かなくなってしまうのだ。
ま、ディスク・ブレーキにも欠陥はあるにはあるのだが・・・。
今日、「マスタングのディスク・ブレーキ・キットが届いた」、
という連絡がUさんから入る。
私は「1966年型 FORD MUSTANG FASTBACK」を所有しているが、
なにしろこいつは四十年も前の車。
走るには走るが、そのブレーキの利きに不安があった。
修理工場を経営するUさんに、
「前後輪のドラム・ブレーキをディスク・ブレーキに換えて欲しい」、
とお願いしておいた。
そのマスタング用ディスク・ブレーキ・キットがアメリカから届く。
箱の中には、キャリバー、ローター、リザーバー・タンク、
マスター・シリンダー・・・等が入っていた。
アメリカには古い「マスタング」のファンが多いという。
そのファン達のために、
アメリカでは今も様々な「マスタング用部品」の製造が続けられている。
Uさんは明日からブレーキの組み立てを始めてくれるらしい。
仕上がりが楽しみであるが、
さて、その「マスタング」を駆り、誰とどこに出かけようか・・・。