Lynne & David・その2

aquio2007-03-15

リンさんが、
「さ〜し〜こ〜の〜ど〜ん〜ざ〜」を見たいと言う。
リンさんの解説によると、
「さ〜し〜こ〜の〜ど〜ん〜ざ〜」とは、
昔、淡路島の漁師たちが用いた防寒着であるらしい。
リンさんは平仮名が書ける。
「さ〜し〜こ〜の〜ど〜ん〜ざ〜」とは
「さしこのどんざ」のことであった。
防寒着であるから、
「さしこ」とは「刺し子」のことであると見当がつくが、
「どんざ」の意味が分からない・・・。
広辞苑で調べてみると、
「古い布を重ねて刺し子にした着物」、とそこには記されていた。
「刺し子のどんざ」とは、
淡路島の漁師の女房たちが亭主のために縫った防寒着であった。
淡路島観光協会に連絡し、その存在を尋ねると、
北淡町歴史民族資料館」に数着の「どんざ」が保存されているという。
リンさん、デーヴィッドを車に乗せ、淡路島に向かう。
「刺し子のどんざ」は、
三枚の藍染の木綿布を刺し子に仕上げたもの。
保存されていた「どんざ」からは、亭主と女房の会話が聴こえてきた。
「どんざ」を縫った女房たちのお喋りも聴こえてくる。
刺し子の技術を教えあったり、競いあったりしたのだろう・・・。
ミシンが普及していなかった時代、
漁師の女房たちは亭主のために一針ずつ丁寧に縫った、という。
その技術も素晴らしいが、
その女房たちの心意気が、なにより素晴らしい。
しかし、昭和二十五年頃を境に、
「刺し子のどんざ」は作られなくなっていってしまう。
「ゴム引きの合羽」にその座を追われていった、という。
「大鳴戸記念館」で人形浄瑠璃を観た後、我々は徳島に移動。
徳島の「十郎兵衛屋敷」で「恵比寿回し」を見学し、
土砂降りの雨の中、大阪に向かう。