■ 地獄に堕ちた勇者ども

aquio2007-04-01

「MONTENEGRO」を飲みながら、
地獄に堕ちた勇者ども」を観る。
この映画を初めて観たのは三十七年ほど前のこと。
確か、私が二十三歳の頃だった・・・。
映画を観終わった後、
「木村屋」という名の喫茶店であったと思うが、
「ルキーノ・ビスコンティ」の美意識について
N君と熱く語り合ったことを懐かしく思い出す。
人間の醜さを美しい映像で描いた映画・・・。
この映画の原題は「THE DAMNED」。
「永遠に呪われた者」とか、
「地獄の亡者たち」という意味を持つ言葉であるらしい。
権謀術数に長けた母親を演じていたのが、
ビスコンティ映画の常連であった「イングリット・チューリン」。
結婚式を挙げた後、
ダーク・ボガード」演じるフリードリッヒと、
「イングリット・チューリン」演じるソフィは服毒自殺を強いられるが、
その最後のシーンにおいて、
「チューリン」の口から一筋の赤い「血」が流れ落ちる・・・。
「チューリン」の白い顎を伝う赤い「血」。
そのシーンに、私は身体が震えるほどの「美」を見た。
そのシーンの美しさを鮮明に憶えていたのだが、
昨夜に観たDVDでは、その「血」が消えていた。
あの口から流れ落ちる「血」は見間違いだったのだろうか・・・。
それとも、どこかで誰かが修正を加えたのだろうか。
それとも、あの赤い「血」は私の脳が作り出した「色」だったのだろうか・・・。
よく分からない・・・。
地獄に堕ちた勇者ども」は「ビスコンティ」による「ドイツ三部作」の内の一つ。
「ベニスに死す」も「ルードヴィヒ」も観直してみることにしよう。
そうそう、「愛の嵐」も観なくては・・・。