■ 病気

aquio2007-04-06

こう言っては大変失礼だが、
id:emimiさんの闘病日記を楽しく拝見している。
しかし、急性膵炎は命にかかわる病気。
よく回復されたものと、喜びを禁じ得ない。
今から二十七年前、
私も生死の境を彷徨ったことがある・・・。
いわゆる「不整脈」。
「AH間伝動障害」という病名であった。
障害の程度は相当にひどいものであったらしい。
鼠経部の静脈から
心臓までカテーテルを送るという検査も受けたが、
十日間の入院の結果、
「原因が分からないから直せない」、と主治医から宣告された。
「アロテック」という名前であったと記憶しているが、
対症療法としてある種の舌下錠を手渡され、
私はその病院を放り出された・・・。
死への恐怖に駆られていた私は、
その舌下錠をいつも持ち歩くようになっていた・・・。
その病気を直してくれたのは、友人である漢方薬局のオヤジであった。
「お前は神経質すぎる」
「精神のあり方が健康だったお前を病気にした」
「もっと気楽に生きれば病気も直る」
それが彼の見立てであった・・・。
彼が調合した漢方薬を飲み、彼が指示したとおりの生活を送った。
苦しい一年間であったが、病は薄皮を剥ぐように少しずつ回復していった。
「人間には自然に備わった治癒力がある」
それを実感した一年であったが、
「精神のあり方が人を健康にしたり病気にしたり、する」
それを実感した一年でもあった・・・。
一年後、私は主治医から手渡されていた舌下錠をゴミ箱に捨てた。
舌下錠は死への恐怖のシンボルであるように思えたのだった。
あの一年は精神を鍛え直す一年でもあったようにも思う。
あれから二十六年。
病気は一度も再発していないが、
今は心臓に毛が生えるという奇病に悩まされている・・・。
何事も「過ぎたるは猶及ばざるが如し」、である。
言い忘れたが、主治医は「藪」というお名前であった。
嘘のような本当の話・・・。