■ Fさん

aquio2007-04-21

Fさんが死にかけている。
末期の肝臓癌・・・。
Fさんが倒れたのはつい先日。
私が新潟に出かける前々日のことだった。
「気分が悪い」と訴え、
病院に担ぎ込まれた時には、すでに手遅れだった。
肝臓の機能がほとんど停止していたらしい・・・。
手の施しようがなかった、という。
Fさんは大酒飲みだった。
いくら飲んでも酔うことがなかった。
十年ほど前、FさんはC型肝炎を患ったことがあったが、
どうやら、その頃から肝臓はおかしくなり始めていたらしい。
肝臓癌の原因は肝炎のウイルスであることが多い、と聞く。
主治医の診断によると、
肝機能が狂っていたから、酒がいくらでも飲めたのであるらしい。
「私を許してちょうだい」
「みんな私が悪いの」、と
Fさんのお母さんはFさんの枕元で号泣されたという。
昔、お母さんもC型肝炎を患われたことがあったらしい。
C型肝炎感染症であり、遺伝とは関係はないのだが、
自分からの遺伝のせいで息子が死ぬ、とお母さんは考えられているという。
子どもに何かあった時、母親は必ず自分を責める。
C型肝炎感染症であると理解していても、
母親としての感情がそれを認めようとはしない。
母親とはそういうものなのだ・・・。
今、お母さんは付き切りで看護をされていらっしゃるという。
お母さんにとって、息子と共有できる時間はほとんど残されていない。
お母さんは八十二歳になられる。
この日記を書いている間にも、Fさんは死んでしまうかもしれない。
辛いことである。
仲間が少しずついなくなっていく・・・。
とても辛い。