■ 結婚式
明日はK君とMさんの結婚式。
結婚式は午前十時半から、
披露宴は正午から開かれる。
場所は千葉県木更津市のTホテル。
K君は千葉県富津市の出身。
Mさんは長崎県長崎市の出身。
二人は岡山の職場で出会った。
そもそも、Mさんの面接を行ったのは、
私とK君の二人だった。
Mさんは佐賀の大学で立体造形を学んできていた。
「私は大学でこのようなことを学んできました」
「これが私の作品です」、と
Mさんは自分のプロフィールを一冊の冊子にまとめて持ってきていた。
完璧な出来栄えの冊子であった。
そのアプローチの仕方が大いに気に入り、
その場で私は彼女の入社を決定したのだが、
思えば、K君はその時からMさんに想いを寄せていたのかもしれない。
ひょっとしたら、私の横で舌なめずりをしていたのかもしれない。
明日はそのあたりをきちっと確認しておこう。
披露宴ではスピーチを頼まれていたのだが、
今朝確認をとったところ、
どうやら主賓としての挨拶をしなければならない、らしい・・・。
私が知っている範囲だけでも、K君には数名のガール・フレンドがいた。
主賓のスピーチとあれば、そのことを暴露するワケにもいかない。
スピーチの内容を変更しなければ・・・。
クリーニングに出していた黒のスーツを引き取りに出かける。
白のボタン・ダウンのシャツの糊もバッチリ効いている。
黒靴も磨いた。
この靴を履いて出かけることにしよう。
この靴にコットン・スラックスは似合わない。
グレンチェックのスラックスを穿いていくことにしよう。