■ 李・すもも

aquio2007-06-14

私の家の敷地は約四千坪ほどの広さがある。
しかし、とんでもない山の中の一軒屋であるから、
その資産としての価値は限りなくゼロに近い。
買った時の値段も驚くほど安かったが、
土地をすべて売り払ったとしても、
東京あたりでは一坪の土地すら買えない、と思う。
そんな田舎の山奥に私の家は建っているのだが、
今、N君とH君がその庭の草刈を始めてくれている。
今から十七年前、
庭の片隅に三本の「李」の苗木を植えたことがあった。
その後、庭は荒れるにまかせる状態にあり、
「李」を植えたことすら忘れてしまっていたが、
N君とH君が草刈をしてくれたおかげで、
植えてあった「李」が再び姿を現した・・・。
植えた時には三十センチほどの苗木であったものが、
五メートルを超える高さの木に育っていた。
枝には赤く可愛い実が鈴生りに生っていた。
あの辺りにはヒヨドリやカケスがよく集まるな、と思っていたが、
鳥たちはこの「李」の実を食べるために集まっていたのだ・・・。
鳥に突かれていない実を選び、もいで食べる。
甘いような酸っぱいような、
砂糖を加えて煮たら美味いジャムが出来そうな味がする。
木の上の方は鳥たちに任せるとして、
下の方に生る実はジャムにすることにしよう。
ジャムは母に作ってもらうことにしよう。
母は何でも彼でもジャムにしてしまい、
作っては誰かれとなくプレゼントするのを喜びとしている。
来年の今頃は「李ジャム」が楽しめそうである。