■ 世界の飛び出す絵本展・その2
約十一時間ほども眠っただろうか、
目覚めはとても爽やかであった。
明日から「世界の飛び出す絵本展」が始まる。
今日中にその展示を終えなければならない。
午前十時、
「アルティアム」に関係者が集合し作業が始まる。
什器はすべて用意されていたが、
二百冊もの絵本を体裁よく並べるのに苦労する。
時間だけがいたずらに過ぎていくように思える。
作業が遅々として捗らないように思える・・・。
午後七時、それでもすべての作業が終わる。
「アルティアム」のKさんに夕食をご馳走になる。
連れていっていただいたのは、警固二丁目にある「魚松」という酒処。
「さかなやさんがつくる美味しい定食と海鮮丼のお店」、と銘打つだけのことはある。
金目鯛の煮付けの美味いことといったら。
鰯の味噌煮込みの美味いことといったら・・・。
何もかもが、美味い。
美味いといえば、
昼には天神一丁目の「よし田」で鯛茶漬けをご馳走になった。
この鯛茶漬けも絶品であったな。
東京銀座には鯛茶漬けで名代の店があるが、
鯛の新鮮さにおいて、その味わいはまったくの別物であるように思える。
Kさんにはすっかりご馳走になってしまった。
聞けば、まだ展覧会場にし残した作業があるとか。
会場に戻って仕上げをする、とのこと・・・。
そういえば、「アルティアム」から「魚松」に向かうタクシーの中、
瞬間的だが、Kさんは意識を失うように眼を閉じられていた・・・。
相当にお疲れであったご様子。
仕事とはいえ、その頑張りには頭が下がる・・・。
さて、展覧会の前評判はとてもいいようである。
今日も四つのテレビ局が取材に訪れていた。
展覧会の内容が「飛び出す絵本」であるから、
その色といい、その形といい、その動きといい、
取材の対象としては実にテレビ向きの素材ではあるのだね。
多くの方々が来てくださればいいのだが・・・。