■ 資格

aquio2007-07-15

私は小さな宿を経営しているが、
いつも頭を悩まされるのは、
特定の食べ物にアレルギーのある方は別として、
食べ物に好き嫌いのあるお客様への対応である。
昔、「高原にいらっしゃい」というテレビ番組があった。
舞台は「八ヶ岳高原ヒュッテ」。
たしか、支配人役は「田宮二郎」であったと思うが、
今から三十年ほど前、
そのモデルになったSさんにお会いする機会があった。
今はどうか知らないが、
その頃の「八ヶ岳高原ヒュッテ」の夕食は定食であった。
宿泊客の全員が同じ献立の夕食を食べていた時代があった。
「好き嫌いのあるお客様への対応はどうされていらっしゃいますか?」、
という私の質問に対し、
Sさんの回答は、
「好き嫌いのある人に旅をする資格はありません」、
という明快なものであった。
今朝、岡山の自宅から神戸の職場に向かう。
途中、加西のサービス・エリアで一息いれたが、
サービス・エリアはまるでゴミ溜めのようであった・・・。
あちこちに煙草の吸殻やペットボトルが散乱している。
台風一過の青空とは対照的な汚さ、である。
車中のゴミをポイポイと捨てていってしまうのである。
ゴミ箱の中には、明らかに家庭ゴミと思われるモノまで捨てられている。
実に汚らしい。
美しいものを美しいと感じ、
汚いものを汚いと感じる力がないのだろうか・・・。
日本人が育んできた「公徳心」はどこに行ってしまったのだろう。
「公徳心」などと言うと、
「またこの年寄りが古臭いことを」、と言われそうであるが、
「公徳心のない人間に旅をする資格はない」、と思う。