■ 倒産

aquio2007-07-19

今朝、「F社倒産」のニュースを聞く。
F社の創業社長でいらっしゃったIさんは
立志伝中の人物であり、
一台の手押し車から事業を興した人であった。
Iさんはとても仕事に厳しい人だったが、
人の「情」をとても大切にされる方でもあった。
しかし、Iさんは五年前に他界されてしまう。
そのIさんの跡を継いだのが、長男のTだった。
Tは人の心の痛みを理解できない奴だった。
また、Tには父親ほどの能力もなく、人望もなかった。
Tに失望した優秀な社員たちは、
次々に会社を去っていった、という・・・。
Iさんが五十五年かけて育てた会社を、
Tはわずか五年で潰してしまった・・・。
その昔、私はIさんから物心両面の支援を受けたことがあった。
信義を重んじないTには何も感じないが、私はIさんに恩義がある。
受けた恩を返せないうちにIさんは旅立たれてしまった。
明日からTの周りには債権者たちが群がることだろう・・・。
負債総額は二十億円を超える、という。
できれば、今が「底」だと思い、
Tにはそこから這い上がってもらいたい、と思う。
Iさんは人の「情」をとても大事にされる方だった。
しかし、Tに対する親としての「情」が、
結果として会社を潰させたのではないだろうか・・・。
Tには会社を継がすべきではなかった。
能力のある番頭にでも会社を託すべきであったのではないだろうか・・・。
そう思えてならない。
明日から幾人の社員が路頭に迷うのだろう。