■ 狐憑き
今朝は五時半に起床。
新幹線で出かけてもよかったのだが、
工具類を入れた鞄だけでも四つある。
両手ではとても持ちきれないから、
車で出かけることにした。
神戸から山陽道に入り、岡山市の青江に向かう。
午後三時、仕事を済ませて神戸に向かう。
明日は午前八時半から大阪で重要な会議がある。
遅刻は絶対に許されない。
朝早くに出発してもいいのだが、
今夜はゆっくりと眠りたい・・・。
職場の仕事をテキパキと済ませ、大阪に向かう。
今夜は大阪のホテルに泊まることにした。
午後十時半、ホテルに到着。
十九階のバーで一杯やることにし、
赤ワインとチーズを注文する。
夜景がとても美しい。
隣の席は女性ばかり十人ほどのグループだった。
どうやら、フラダンス教室に通っていらっしゃる奥様方のようである。
「手はこう上に向けるのよ」とか、
「指先はこう伸ばすのよ」とか、実に姦しい。
時々立ち上がっては踊りを披露してくださるのだが、
その踊りを見る限りでは、
狐にとり憑かれた女性が踊っている、としか思えない・・・。
その横には狸にとり憑かれたような女性が座っていらっしゃる。
実に珍しいモノを見せていただいた。
午前零時、部屋に戻ってベッドに潜り込む。
今日一日の走行距離は四百キロを超えた。
さすがに疲れた。
奥様方のフラダンスに止めを刺されたような気がする。
明日の会議の発言内容をイメージしているうち、
いつの間にか眠ってしまう・・・。