■ KUEKELHAUS/キューケルハウス

aquio2007-08-05

幾つかの玉が細い二本の糸で吊り下げられていて、
右端の玉を右側に引いて手を放すと、
左端の玉だけが弾かれたように左側に移動する。
で、左側の玉が元の位置に戻った時、
今度は右端の玉が弾かれたように右側に移動する。
最初に与えられたエネルギーがなくなるまで、
カッチン・カッチンと玉が動き続けるオブジェがある。
あれは何という名前なんだろうか・・・。
昔、我が家にも一つあったような記憶があるが、
いったいどこに失くしてしまったのだろう・・・。
あのオブジェを制作したのが、
ドイツの著名な建築家であった「HUGO KUEKELHAUS/フーゴー・キューケルハウス」。
「BAUHAUS/バウハウス」とほぼ同時代に活躍した建築家であったが、
どういうワケか、決して「BAUHAUS」とは活動を共にしなかった人である。
昨日、その「キューケルハウス」がデザインした三つの「ガラガラ」を、Nさんから頂戴する。
六十年ほど前のデザインだが、まったく色褪せていない・・・。
素晴らしいデザイン。
ただ、残念なことに、ヨーロッパには「CE」がある。
「CE」、つまり「EUROPEAN CONFORMITY/ヨーロッパ安全基準」のこと。
例えば、魚の形をした「ガラガラ」は、
その尻尾が赤ちゃんの喉に達する細さであるから、
「ガラガラ」として販売することは許可されない。
また、「マラカス」の形をした「ガラガラ」も、同じ理由から販売できない・・・。
これら三点の「ガラガラ」は「キューケルハウス」の子孫が復刻したものであるが、
「ガラガラ」としてではなく、「オブジェ」として少量が生産されている。
一つ一つが生成りの綿の袋に入れられている。
D社のL社長の話によると、D社の近くに「キューケルハウス・ミュージアム」があるらしい。
「ドイツに来たら連れていってあげるよ」、というお話であったから、
いつか、そのお言葉に甘えることにしよう。