■ キューケルハウス・その2

aquio2007-08-28

昔、フランスには「オシェ」と呼ばれる、
柳の小枝で編まれたガラガラがあった。
「オシェ」は「hocher」、
つまり、「揺する」という意味であると思われるが、
この「オシェ」の中には、
七つの小さな石が入れられていた。
「オシェ」を振ると、小石がこすれる可愛い音がした。
伝統的なガラガラではあったが、
もう、この「オシェ」も現在では作られていない。
「CE/Europian Conformity」、
「ヨーロッパ安全基準」が設けられてからというもの、
その安全基準をパスしないモノは販売できない、
ということになってしまった・・・。
「オシェ」に入れられていた七つの小石には、
七つの大罪」という意味があった。
「傲慢」「色欲」「強欲」「暴食」「憤怒」「怠惰」「嫉妬」の七つ。
「オシェ」には、「この子が七つの大罪を犯さないような子に育つように」、
という親の心がこめられていた・・・。
昨日、ドイツの著名な建築家であった「キューケルハウス」のガラガラを二種手に入れる。
ドーナツ状に削られた白木には、U字型の溝が掘られている。
その溝の中には、三つの小さな白木の玉が入れられていて、
握って振ると、小さな玉が「コロコロコロ・・・」、と優しい音をたてる。
「キューケルハウス」がデザインしたガラガラは全部で六種類あったはず。
これで五種類七個のガラガラを入手したことになるのだが、
さて、もう一種類のガラガラがなかなか見つからない・・・。
また、前述した「CE」の関係で、
そろそろその生産も終わろうとしているらしい。
そうなる前に、なんとか手に入れたいと思うのだが・・・。