■ 死刑台のエレベーター
「死刑台のエレベーター」を借りてきて観る。
「ジャンヌ・モロー」扮する社長夫人は、
夫が経営する会社の社員と不倫の関係にある。
二人は共謀して夫の殺害を計画するのだが、
映画は、「ジャンヌ・モロー」が
愛人に殺害の実行を促す電話のシーンから始まる。
愛人は社長の殺害に成功するが、
うっかり、手がかりとなるロープを残してきてしまう。
で、そのロープを取りに戻る途中、
愛人はエレベーターの中に閉じ込められてしまう・・・。
愛人の役を演じていたのが「モーリス・ロネ」。
映画「太陽がいっぱい」の中で、
「アラン・ドロン」に殺されてしまう、
あの金持ちの放蕩息子の役を演じていたのが「モーリス・ロネ」だった。
いわゆる「ヌーヴェル・ヴァーグ」の先駆けとなった映画だが、
今観ても、その白黒の画面は少しも古臭さを感じない。
「ジャンヌ・モロー」の美しさといったら・・・。
ギャング俳優として一世を風靡した「リノ・ヴェンチュラ」も刑事役で出ていたが、
なかなかにいい味を出している。
ついつい二回も観なおしてしまった。
ラッシュを観ながら即興で演奏したという、
「マイルス・デーヴィス」のトランペットも、実にいい。
都会の不安を煽るような、クールな演奏が映像によく似合う。
「マイルス」のミュートの利いたトランペットばかりに気をとられていたが、
ジャズに詳しいOさんに言わせると、
「テナー・サックスを吹いているバルネ・ウイランの演奏もいい」、らしい。
映画のサウンド・トラック版CDは持っているが、
「バルネ・ウイラン」という名前には気付かなかった。
CDは自宅に置いてある。
明後日にでも取りに帰ることにしよう。
歳のせいか、昔に観た映画が懐かしくて仕方がない・・・。
「死刑台のエレベーター」を映画館で観たのは、今から四十年以上も前のこと。
歳のせいで、若い頃とはまったく違う視線で映画が楽しめる。