■ みかけはこわいがとんだ純情な人だ

aquio2007-10-09

先日から「琵琶湖ビエンナーレ」が開かれている。
一昨日、
その会場でワークショップを開催したのだが、
用意していった針金が大量に余ってしまった。
自宅に針金を持ち帰り、
グチャグチャといじくっているうち、
見かけの怖いアンチャンの顔が出来上がる。
「見かけ」という言葉から、
歌川国芳」の浮世絵、
「みかけはこわいがとんだいい人だ」を連想する。
で、「みかけはこわいがとんだ純情な人だ」、
というタイトルのからくり人形の制作を思いつく。
アトリエに転がっていた端材板で箱を作り、
底板を黒の水性絵の具で着色する。
厚み十二ミリほどの板で小さなハートを作り、赤いジェッソで着色する。
内径六ミリのバネを直径五ミリの丸棒に差し込み、固定する。
二つの突起を持つ小さなカムを作り、シャフトに固定する。
ノミで削ってハンドルのつまみを作り、小さな玉で固定する。
ハンドルを回すと、
「ドキドキッ・・・ドキドキッ・・・ドキドキッ・・・」、
というような感じで、赤いハートが前後に規則正しく動く。
ハートが底部の板に打ち当たる時、
箱の内部に共鳴して、けっこう大きな音がする。
ハンドルをゆっくりと回すと、ハートはゆっくりと脈打ち、
ハンドルを早く回すと、ハートは忙しく脈打つ・・・。
飲み屋のお姐さんを口説く時に使えそう、なからくりではあるね。
「ほら、僕のハートはこんなにもドキドキしてるねん」、とかなんとか言ったりしてね。
阿呆な話はさておき、
自画自賛めくが、なかなかに楽しいからくりが出来上がった、と思う。
アトリエに入ってきたH君と量産化について話し合う。
少しの改良点を加えれば、
パーツの数も少なくて済みそうだし、加工も単純化できそうである。
「いくらで販売するんでか?」
「これだったら一万円はもらえるんじゃないかなぁ・・・」
「たくさん売れたら困りますね・・・!」
「絶対に売れるで!」
「二人して儲けましょか!」、
とオッサンと若者の皮算用は果ても無く続くのであった・・・。