■ ジュール・ベルヌ

aquio2007-10-22

昨日の日記に書いた「ソイレント・グリーン」は、
アメリカのSF作家である
「ハリー・ハリソン」が著した小説であった。
「ソイレント・グリーン」のことを書いていて、
SFの父と呼ばれた
ジュール・ベルヌ」のことを思い出す。
今から二百年ほど前、
「ベルヌ」はロワール川に浮かぶ中洲で生まれた。
あの「八十日間世界一周」を著した人物、である。
何もない時代に、何もない島で育ったのであるから、
「ベルヌ」も空想の世界で遊んでいたに違いない。
その少年期の体験が、
長じてあのような小説を書かせたのだろう、と思われる。
十九世紀の中頃、
「ベルヌ」は、あの有名な「海底二万里」を著したが、
その小説の中には無限の動力源を持つ潜水艦が出てくる。
その潜水艦の名前は「ノーチラス号」。
ラテン語で、確か「オウムガイ」のことだったと思うが、
それから百年後、アメリカは史上初めての原子力潜水艦を進水させた。
「ベルヌ」の小説に因み、その原子力潜水艦は「ノーチラス号」と命名された。
後年、「ベルヌ」はまた「悪魔の発明」という小説も著す。
強力な破壊力を持つ閃光弾が「悪魔の発明」と呼ばれるモノなのだが、
小説に書かれた閃光弾のイメージが水爆や原爆のイメージと重なる・・・。
「人間がイメージすることはほとんど実現可能なこと」、であり、
「逆に言えば、実現可能なことしか人間はイメージできない」、
と若い頃に誰かから教わったことがある。
今から百五十年も前に書かれた「海底二万里」。
その小説に書かれた「ノーチラス号」は「葉巻」のような形状をしていたが、
まさしく、現代の原子力潜水艦は「葉巻」のような形状をしている・・・。
「人間がイメージすることはほとんど実現する」
「人間は実現できることしかイメージできない」
そうかもしれないな・・・。
想像の世界で遊ぶ人間だけが創造の世界に入っていけるのだから。