■ 香美薗・その2
「神戸ビエンナーレ」の出番も今日で終わり。
いろいろと問題もあったが、
ま、結果的には楽しい展覧会であったな。
午後四時半、
K芸工大の学生たちがトラックに乗ってやって来る。
残った材木をトラックに載せる。
「これで卒業するまで材木には困らへんなぁ」、
と学生たちは大喜びしていた。
午後五時半、後片付けを始める。
玩具デザイナーのWさんが残していってくれた展示台は、
岡山県N村の森林組合が引き取りに来てくれた。
現在、N村では、
村内で産出する木材を使ったおもちゃ作りのプロジェクトが進行しつつある。
Wさんはそのデザインを統括されていらっしゃるのだが、
N村は、私の自宅から車で十分ほどの距離でしかない。
「家が近いから、お前もこのプロジェクトに参加しろ」、
というきついお達しがWさんからあったばかり。
Wさんは私にとって大の恩人であるから、
「嫌です!」、とは口が裂けても言えない立場にある・・・。
六十一年も人間をやっていると、柵が増えていくものであるね。
午後六時半、すべての撤去作業が終了。
関係各位に挨拶を済ませ、元町の「香美薗」に向かう。
「香美薗」にはつい先日も来たばかり。
店のオバチャンが、「なんや、また来たんかいな」、というような顔つきで迎えてくれる。
まずは烏龍茶で乾杯し、
海老の天ぷら、春巻き、麻婆豆腐、炒飯・・・諸々を注文する。
アルマイトのおたまで麻婆豆腐を掬い、炒飯にまぶして食べる。
この気取らないところが実によろしい。
山椒の粉を振り掛けると、猶一層風味が増す。
炒飯を頬張りながら、「神戸ビエンナーレ」の総括を行う。