■ ボンカレー

aquio2007-11-05

今日は忙しい一日だった・・・。
午後十一時ごろ、
ヘトヘトに疲れてアパートに帰り着く。
風呂の湯を沸かしていて、
まだ晩を食べていなかったことに気付く。
冷蔵庫の中を探る。
食材は、ま、いろいろとあったが、
これから何かを作る、という元気がない。
冷蔵庫の扉の内側に、
一箱の「ボンカレー」が立てかけてあった。
Eちゃんからもらった「ボンカレー」。
冷凍してあったご飯を解凍し、
ボンカレー」の封を切って湯煎する。
血糖値が下がっているのだろう、身体が少し震えだす。
ボンカレー」が温まるまで、
オレンジ・ジュースを飲み、クッキーを食べて、身体を誤魔化す。
ボンカレー」を食べるのは何年ぶりになるのだろうか・・・。
まだ、私が入社したてのサラリーマンであった頃、
その頃、私は会社の独身寮で寝起きしていた。
この日記を書きながら、
寮のオバチャンが作ってくれた料理のことを思い出す。
彼女の料理のレパートリーは数種類しかなかった。
カレーライス、炒飯、親子丼、ラーメン、豚カツ、天ぷら、カレーライス、炒飯・・・。
常に同じメニューの繰り返しであったことを懐かしく思い出す。
味付けもめちゃくちゃであったな。
あの頃ではなかっただろうか、
この「ボンカレー」を初めて食べた、というのは・・・。
寮の仲間たちと作って食べた、という記憶がある。
解凍したご飯を温めなおし、
ボンカレー」をかけて皿の上でグチャグチャと混ぜ合わす。
盛り上がったてっぺんの辺りをスプーンで凹ませ、
凹んだところに生卵を割って置く。
大阪千日前「自由軒」風カレーライスの出来上がり。
自由軒」といえば、「自由軒」にも長らく行っていないなぁ・・・。
あの「織田作之助」がカレーライスを食べながら「夫婦善哉」の構想を練った、という店。
私が「自由軒」に足繁く通ったのは、今から四十三年ほど前のこと。
まだ、私が天王寺の美術館で絵の勉強をしている頃だった・・・。