■ 整理・その6・Douglas Wilson

aquio2007-11-17

「Douglas Wilson/ダグラス・ウイルソン」が
四年前に作ってくれた「天使」の人形。
ウイルソン」はイギリスに住む消防士だが、
動くおもちゃを針金で作る名手でもある。
赤い取っ手のついたハンドルを回すと、
やはり、針金でできた二つの翼が大きく上下し、
赤い小さな「ハート」がユラユラと揺れる。
本人の弁によると、
ウイルソン」は、あの「モビール」を考案した、
あの「Alexander Calder/アレキサンダー・カルダー」に
大きな影響を受けたらしい。
「Calder's Circus/カルダーのサーカス」に見られるように、
アレキサンダー・カルダー」は針金を自在に操り、
一筆書き的針金作品を数多く残した。
その「カルダー」の手法に影響を受けた、というのだ。
ウイルソン」の作品には幾つかのバリエーションがあるが、
その中でも秀逸なのが、
この「天使」と「馬」のシリーズであろう。
太さの違う数種類の針金の特性を生かし、
ウイルソン」は空間に様々なモノを作り出していく。
前の日記にも書いた覚えがあるが、
針金でモノを作るという行為は、
何も無い空間に針金で絵を描く、という行為に他ならない。
この「天使」も、円く曲げられた針金を「天使」の頭に見立て、
三角形に広げられた針金を「天使」の着るローブに見立てている。
ローブの裾には、極細の針金で波型の裾模様が作られているが、
たったそれだけのことで、
このローブが大変に豪華なモノであるように見えるから、不思議・・・。
ウイルソン」の作品は「針金で落書き」的であるといえるな。
針金でモノを作る作家は世界に多いが、
針金で動くモノを作る作家、
いわゆる「AUTOMATA/オートマタ」作家といえば、
世界でも「ダグラス・ウイルソン」ただ一人ではないだろうか・・・。