■ ドイツ旅行・4日目

aquio2007-12-06

午前九時、
「Wolfgang Werner/ヴォルフガング」のアトリエを訪問。
あいにくヴォルフガングは留守であったが、
奥さんのウテが我々を歓待してくれる。
午前十時半、
「Christian Werner/クリスチャン」のアトリエを訪問。
クリスチャンは自宅から駆けつけてきてくれた。
クリスチャンはあの「ライフェンドレーン」の名手。
ロクロを回転させながら、
皆の前でその高度な技術を披露してくれる。
午後二時半、
皆が買い物に精を出しているうち、
「Siegfried Werner/ジークフリート」のアトリエを訪問。
通訳のOさんを交え、今後のおもちゃの生産について意見を交換する。
午後四時半、
「Erzgebirgisches Spielzeug Mueum/玩具博物館」を訪問。
昨年、私はこの博物館で個展を開くことができた。
その時に出品した作品、約四十五個はまだこの博物館の倉庫に保管されたままになっている。
三階に上がると、館長の「Conrad/コンラッド」にプレゼントしたはずの、
「Hungry Vampire」が綺麗に展示されていた。
それを見たとたん、
「私が死んだ後も、私が作ったこの作品はここに飾られ続けるのだ」、と胸が熱くなるのを覚える・・・。
午後五時、
コンラッドが自宅から大急ぎで駆けつけてくれた。
前述したように、この博物館に保管されている私の作品は約四十五個。
それらはいずれ日本に送り返さなければならない・・・。
しかし、送り返すには相当な額の送料を用意しなければならない。
また、再来年には「Sonneberug/ゾンネベルク」における個展も控えている。
で、すべての作品をこの博物館に寄贈することにした。
ドイツの風習では、
今日は「聖・ニコラウス」がプレゼントを運んでくる日にあたるという。
コンラッドは「聖・ニコラウスが素晴らしいプレゼントをしてくれた」、と喜んでいたが、
ま、これでよかったのだろう、と思う・・・。
今から約百年ほど前、一人の日本人がこのザイフェンを訪れたことがあったという。
その日本人は、このザイフェンに伝わる木工の技術を盗みにきたのだった。
ドイツが東西に分裂していた時代、
ザイフェンでは、「日本人を見たら泥棒と思え」と言われていたという・・・。
ザイフェンの村史に残る大事件であったらしい。
それから百年、別の日本人がこのザイフェンで個展を開いた。
そして、その作品は玩具博物館に展示されている。
そのことをぜひ村史に書き加えていただきたい、と思うのである。