■ 吉兆

aquio2007-12-16

「吉兆が偽装件起こしたらしいな?」、と言うと、
「いったいいつの話してるんですか」、と笑われる。
新聞はとっていない。
テレビもほとんど見ないから、
世事にはとんと疎くなってしまった。
どうやら、佐賀の牛を但馬の牛と偽装したらしい。
ま、他にもいろいろと改竄や偽装があったらしいが、
しかし、
はたして、佐賀牛よりも但馬牛の方が美味いのだろうか。
但馬牛よりも佐賀牛の方が美味いのであれば、
佐賀牛使用」と偽装表示するはずであるから、
やはり、但馬牛の方が美味いのだろう、か・・・。
しかし、いったい誰にその差が分かる、というのだろう。
内部告発があるまで、
購入者は但馬の牛と信じて食べていたのではないのか・・・。
ブランドを盲信するから、このような事件が起きた、とも言える。
「吉兆の味噌漬けでございましてよ」とか、
「お高こうございましたのよ」とか、
そう言ってた人々はさぞかし恥ずかしい思いをしていることだろう。
騙した側もどうかと思うが、騙された側もどうか、と思うのであるね。
しかし、今回の事件は、
佐賀牛は但馬牛よりも劣る」、と吉兆にハッキリと宣言されたようなものではないか。
佐賀で食肉を生産する方々にとって屈辱的な出来事ではなかっただろうか。
誰も怒らないのだろうか・・・。
北海道のオホーツクに住む友人に聞いた話だが、
神戸牛も、松阪牛も、近江牛も、
そのほとんどは北海道で生産されて育てられているという。
で、北海道で一年近く育てられた牛は、
その後、神戸や松阪や近江に運ばれていくらしい・・・。
何がどうなっているのやら、さっぱり分からない。
ひょっとしたら、佐賀牛も但馬牛も元々は道産子ではないのか?
汁椀から立ち昇る湯気を見つつ、
「今や、今が飲み時や!それっ、持っていけぇ〜!」、と仲居の背中をどやしつける。
吉兆の創業者であった湯木貞一さんとはそういう御仁であったらしい。
「客に美味いものを届ける!」
湯木貞一さんの料理にかける情熱は並々ならぬものであった、という。
湯木貞一さんに師事を受けたDさんから聞いた話。