■ 風邪・その2
風邪がぶり返す。
昨晩は三十七度五分ほどの熱が出た。
熱があるのに寒気が止まらない。
「このまま死ぬのかな!?」、
とそう思うほど苦しかった・・・。
「九時に出社していなければ私の携帯に電話して欲しい」
「電話に出なければ、誰かアパートに来て欲しい」、
と職場に留守電を入れておく。
「独居老人アパートで腐乱死体となって発見される」、
なんてことだけは避けたいなぁ、とか、
「今夜のうちに整理できるものは整理しておこうか」、
などと朦朧とした頭でいろいろ考えるが、
どうにも身体がいうことを聞かない。
午前七時、熱は三十六度五分まで下がっていた。
しかし、私の平熱は三十六度を少し切る程度であるから、
まだ少し熱がある、といえる。
午前八時四十五分、職場に出勤。
昨晩の留守電を消去する。
昨晩からの咳と鼻水が止まらない。
昨夜は近くのコンビニで「鼻セレブ」というティッシュを買った。
驚くほどの軟らかさをもったティッシュ・ペーパー。
なんとも肌触りがいいのだが、
アッという間に、四袋を使いきってしまった。
今朝は鼻の下が爛れたように赤く腫れている。
ティッシュが擦れて、痛くて痛くて鼻がかめない。
情けないったらありゃしない・・・。
昔、私は扁桃腺炎を頻繁に起こす子どもであった。
で、小学校五年生の時、扁桃腺を切り取る手術を受けたことがあった。
耳鼻咽喉科の先生が、
「手術の前に、今から咽の奥の寸法を測りますからねぇ〜」
「ハイ、大きく口を開けてぇ〜」、と言うので大きく口を開けたら、
先が湾曲したペンチのような器具で、スパッと扁桃腺を切り取られてしまった。
覚悟を決めて医者に行ったのに、騙し討ちにあったような気がした・・・。
痛みで咳き込む度、ジクジクと口の中に血が染み出てきた。
血の混じった唾をペッペと吐きながら、涙をポロポロ流しながら家に帰ったことを思い出す・・・。
聞くところによると、
扁桃腺がなければ風邪を引きやすい、というのはどうやら誤信であるらしい。
確かに、扁桃腺は咽に入ってくる病原菌をブロックする機能があるらしいが、
それも乳幼児を過ぎる頃までであるらしく、
それを過ぎたら無用のものである、という意見が医者の中にもある、という。
どちらにしても、風邪には気をけなければ。
酒は百薬の長・風邪は百病の長。
今夜はお粥でも食べて大人しくしていることにしよう。