■ 整理・その10・カイ・ボイセンの猿

aquio2007-12-26

「Kay Bojesen/カイ・ボイセン」の猿。
一八八六年、「カイ・ボイセン」はデンマークに生まれる。
もともと、「カイ・ボイセン」は、
あの「ジョージ・ジェンセン」の下で、
銀細工師としてそのキャリアをスタートさせたが、
一九三十八年、
「カイ・ボイセン」が五十二歳の時に発表したカトラリーが、
デンマーク王室や大使館の御用達に指定されたことで、
一躍、その名は世界中に知れ渡ることになる。
この猿は、「カイ・ボイセン」が一九五十一年に発表した
インテリア動物シリーズのうちの一つ。
デンマークのテーブル・ウエアのメーカーである
「ROSENDAHL/ローゼンダール」社から復刻されたもの。
猿の胴体は東南アジアの特産であるチーク材
顔と四つの手先はアフリカのリンバ材で作られている。
また、両前脚、両後足はそれぞれゴムで連結されていて、
自由にその姿形が変えられようになっている。
五十六年前のデザインされたものだが、
今もなお新鮮さが損なわれていない・・・。
「いつ見ても新鮮」
優れたデザインとは、そういうもののことを言うのだろう。
「カイ・ボイセン」の猿といえば、
その昔、アメリカ製のイミテーションが巷に氾濫したことがあったな。
酒場の棚や、田舎の商店のウインドウによく飾られていたものだった。
つい先日まで、
岡山の某博物館で「北欧のおもちゃ展」が開催されていたが、
その展示品の中でも、この猿は一番の人気を博していた、という。
猿のボディに使われているチーク材だが、
年月を経れば経るほど、内部の油分が表に現れるという性質を持っている。
いわゆる「チーク色」に変化していくのだが、
手元にチークから採った「チーク・オイル」があるから、
少し、柔らかな布に染み込ませて磨いてみることにしよう。
木材に水、または油を染み込ませると、
木材の表面は、いわゆる「濡れ色」を呈し、なんとも言えない深みが現れる。
「カイ・ボイセン」がデザインした動物シリーズには、
この他に、象や河馬、テディ・ベア・・・などがある。
さて、明日から新潟を経由して、東京、名古屋に出張しなければならない。
帰りは二十九日の夜になる予定。