■ 団欒・その2
一昨夜に続き、
昨夜も次男のSがアパートに泊まっていった。
トマトとモッツアレラ・チーズとバジルのサラダ、
牡蠣の入ったキムチ鍋、お新香、
空心菜とベーコンの炊き合わせ、蛸の塩辛・・・。
奇妙な取り合わせだが、
昨夜も食卓にはSの好物がズラリと並ぶ。
最後は鍋の中にご飯を放り込み、キムチ雑炊で〆たのだが、
これがなかなかに美味しくて、
ついついお代わりをしてしまった。
昨年末から昨夜にかけて、腹が少し出てきたような気がする。
ここ数十年来というもの、
私は七十六センチのウエスト・サイズをずっと保持してきた。
ナルシストの気でも少しあるのだろうか、
腹のたるんだ己の姿など見るもおぞましい、と思うのである。
「今晩からまた腹筋運動を始めなければ」、
などと考えているうち、
「そろそろデザートを食べよう」、ということになる。
腹筋運動は明晩から始めることにする。
昨夜のデザートは、
リンさんから頂戴した「CAVALUCCI・カヴァルッチ」。
イタリアで作られるドルチェの一つ。
中にはアーモンドやシナモン、オレンジ・ピールやナツメグが入っているのだが、
なんといっても、アニスの香りが強烈なドルチェではあるね。
このアニスの香りが好き嫌いを左右するのだろう、
母と妻、そしてSは一口食べただけで、二度と口にしようとはしなかった。
で、「カヴァルッチ」を独り占めすることになる。
アニス系のリキュールといえばギリシャの「OUZO・ウゾ」が有名だが、
私などはこの「ウゾ」が大好きなのであるね。
子どもの頃、私は母から「好き嫌いせず何でも食べなさい」、とそう教え込まれて育った。
妻も三人の子どもたちに、「好き嫌いせず何でも食べなさい」、とそう教え込んでた。
しかし、家族の中で一番好き嫌いが激しいのは、実は、母と妻であるような気がする。
「好きな食べ物を好き嫌いなく食べる」
彼女たちの言う「好き嫌いなく」とは、そういうことではないだろうか・・・。