■ 講義・十二日目

aquio2008-02-02

今日はK芸工大における講義最終日。
学生たちにはこれまでに五つの課題を課してしたのだが、
五つの課題をなんとかこなした学生は少なかった。
こなした、と言っても、
最終課題はまだ中途半端な仕上がりのままであった。
大作に取り組んでいる学生もいれば、
込み入った仕掛けのからくりに取り組んでいる学生もいる。
しかし、仕上がっていない作品に点をやるワケにはいかない。
これでは単位をやるワケにはいかない。
また、十九日には大学に彼らの成績を提出しなければならない。
五つの課題の内、三つしか提出しなかった学生が一人。
四つしか提出しなかった学生が一人。
一人の学生に「なぜ提出しなかったのか?」、と訊くと、
「先生(私のこと)の講義が面白くないから」、と言う。
「おいおい、何で講師の俺が学生の君を楽しませなあかんねん?」
「俺は吉本興業の芸人とちゃうで!」
「笑わせてくれるなぁ!」
「君の考える『面白い講義』っていうのはどんな講義やねん?」
「君が興味を持ってる講義はあるんか?」、と訊くと、
「どの講義を受けても面白くない」、と言う・・・。
大学受験で燃え尽きてしまったのだろうか、
何事に対しても興味が持てないでいる。
興味が持てないのは自分のせいであり、
そのことは十分に理解しているのだが、
他人のせいにしておけば、自分はその悩みから逃れられる・・・。
ま、そんなところなんだろうな。
まだまだ「お子ちゃま」なのであるね。
で、全員に二週間の執行猶予期間をやることにした。
「刑の執行まで二週間の猶予をやる」
「二週間後には必ず完成品を提出すること」
「提出しない学生に単位はやらん」、とそう宣言する。
ま、二週間もあれば何とかなるだろうし、何とかするだろう。
工房の外に出て煙草を吸っていたら、数名の学生たちが集まってきた。
からくりの制作に興味を持っている一年生たちだった。
「何か話をしてくれ」、と言うので、
来期のカリキュラムについて話す。
興味を持ってくれたようであった。