■ 保育園

aquio2008-02-20

「積み木の遊び方を教えて欲しい」という。
積み木に遊び方のマニュアルなどないし、
積み木の遊び方など子どもに任せておけばいいのだが、
古くからの知り合いである保育主任の依頼であるから、
そう突慳貪に突き放すワケにはいかない・・・。
そんなワケで、今日は朝から某市立保育園に出かけていた。
保育園は、築五十五年は経つという古い建物であった。
歩くとギシギシと音をたてる床。
開け閉めの度にガタガタと音をたてる窓枠・・・。
昔の小学校や幼稚園はみなこうであったな。
昔にタイム・スリップしたようで、実に懐かしい。
子どもたちが遊んでいる部屋に入って驚いた。
そこには高価な「Naef/ネフ」の積み木がいくつか置かれていた。
訊けば、それら「ネフ」の積み木のすべては、
保育士さんたちの私物である、という。
訊けば、市から割り振られる予算では、
子どもたちに与えるおもちゃなど購入できない、という。
「子どもたちには本物のおもちゃを」
保育士さんたちは自腹を切って、様々な積み木を購入しているのだという。
私が持参していった「ネフ」の積み木、
保育士さんたちの私物である「ネフ」の積み木を使い、子どもたちと遊ぶ。
「うわぁ、Nのオジサン(私のこと)、積み木の天才」
「ねぇねぇ、もっともっと積んで見せて」
「僕にもやらせて」、などと子どもたちから歓声があがる。
一人の女の子が背中によじ登っては、
「Nのオジサン抱っこして」、と何度もせがんでくる。
訊けば、その子は母子家庭に育った子であり、
父親に抱擁などされた経験がないのだ、という・・・。
積み木で遊びながら、その子を何度も背中に負ぶってやる。
「ネフ」の「CUBICUS/キュービックス」を園にプレゼントすることにした。
帰り際、また遊びに来ることを子どもたちに約束させられる。
今日は子どもたちにおもちゃにされた一日だったが、
出かけてきて良かった、と心底そう思う。
それにしても、この市の役人たちはいったい何を考えているのか。
何も考えていないのだろうな・・・。