■ チルチル・ミチル

aquio2008-03-03

昨日、Kさんが「会社を辞めたい」、と言ってきた。
理由を質すと、「私はこの職業に向いていない」、と言う。
「どんな職業が自分に向いていると思うの?」、と訊くと、
「さぁ・・・」、という返事。
「いろいろと他のことも体験したい」、と言う。
どうやらKさんは「自分探し」の旅に出る決心をしたらしい。
「自分探し」とは随分と格好のいい言葉ではあるが、
要は、いい歳をした大人が「迷子」になってしまった、
ということではないのだろうか・・・?
自分に適した仕事など、そう簡単に見つけられるはずはない。
探し歩いて見つからなければ、どうするんだろう?
自分に適した仕事を探したいのであれば、
自分を仕事に適した方が手っ取り早い、と思うのだが、どうだろう?
昔、私は北アルプスの麓の村に住んでいたことがあった。
山の中で迷子になった人間の末路を何度も見聞きしてきた。
山の中で方向を見失った時など、
経験の浅い人間は必ず下へ下へと下っていってしまい、
ますます方向を見失ってしまうものである。
山の中で方向を見失った時は、逆に、高い所に登らなければならない。
見晴らしの良い場所に立てば、方向は手に取るように分かる。
山の中で迷子になってしまったら、山の中をウロウロと徘徊してはいけない。
それがセオリーであるのだね。
仕事も同じ、ではないかなぁ?
まずは見晴らしの良い場所を目指すべきではないだろうか・・・?
そんなコトをKさんに話してみたのだが、
Kさんの辞意は固いようであった。
「ま、仕方がないね」、なのであるね。
メーテルリンク」の「青い鳥」の例を持ち出すまでもなく、
幸せの青い鳥は案外身近なところにいるものである。
いつまで「チルチル・ミチル」ごっこを続けるつもりなんだろうか・・・?
今朝から岡山の職場に出勤している。
職場の玄関は屋根から落ちた雪でスッポリと埋もれていた。