■ 雪・雪・雪・・・

aquio2008-03-05

今朝も林の中を通って職場に向かう。
林を抜けると、
道には、何か大きなモノを引きずったような跡がついていた。
跡は山の上の方から麓の方向に向かってついている。
林業に係わる人が何かを運んだのだろうと、
その跡をトレースしながら下りていくと、
林道に小さな血溜りが幾つもできていた・・・。
猟師に仕留められた鹿、
または猪が引きずられていった跡だった。
近年、この村でも鹿や猪による被害が後を絶たない。
農作物が食い荒らされる、という被害が続出している。
昭和三十年代、それまでの豊であった雑木林を切り払い、
この村でも、杉や桧の植林が盛んに行われた、という。
単一樹種による植生は山の生態系を壊してしまう。
昔、この村の近辺は豪雪地帯であったらしい。
あまりの雪の多さで身動きがとれなくなり、
凍死してしまう鹿や猪が後を絶たなかった、という。
自然が山の生き物の個体数を調整していたのだが、
温暖化の影響を受けてか、近年はそれほどの雪は降らない。
また、昔は山の中には狼も生息していた。
狼が鹿や猪や兎を捕食することで、山のバランスは微妙に保たれていたのだが、
その狼も、明治時代には絶滅してしまっている。
山の中に肉食獣がいなくなってしまい、
食い物を提供してくれる自然林がなくなってしまったことで、
鹿、猪、兎、熊、狐、狸、猿、といった動物は里に現れるようになってしまった・・・。
人間の経済活動が山の生態系を壊してしまった、と言える。
昨年の秋にも、Kさん宅の栗林に熊が現れて大騒ぎになった。
午後四時過ぎ、湿気を含んだ大きな牡丹雪が降り始める。
見る間に道路が白くなっていく。
雪は八時を過ぎても降り止まない。
明日もまた雪掻きをしなければならない。
湿気を含んだ雪は重たくて困る。