■ 浅井

aquio2008-03-11

会議が終わった後、居残った七名の職員を連れ、
苦楽園のお好み焼き屋「浅井」に出かける。
亭主のA君との付き合いは、
かれこれ四十三年にもなるだろうか・・・。
私が高校三年生の時、私は山岳部に所属するとともに、
吹奏楽部にも所属していた。
私は第二旋律を受け持つユーフォニアムを吹いていたが、
私の横で、トランペットを吹いていたのが、A君だった。
A君が「浅井」を開業したのは、今から三十年ほど前。
当時、私は長野県の白馬村に住んでいたのだが、
「今度、苦楽園の駅前でお好み焼き屋始めますねん!」
「どんな味か、いっぺん食べてみてもらえませんか?」、
とある日突然、
山ほどの粉や卵を抱えたA君が私の家にやって来たことがあった。
美味しいお好み焼きを鱈腹ご馳走になったことを、今も鮮明に憶えている。
職員たちと、
スジ焼きを五つ、豚玉を二つ、焼きソバを卵で包んだオムソバを四つ注文する。
甘辛く煮込んだスジ肉が舌の上で蕩けていく。
実に美味い。
A君も今年で還暦を迎えるはず。
紅顔の美少年であったA君だが、今はもはや当時の面影はどこを探してもない。
お互い髪に白いものが混じる歳になったが、
幾つになっても、先輩、後輩の関係は変わらないでいる・・・。
実に嬉しい。
店には客の出入りが絶えない。
なかなかに繁盛しているようである。
口を開けば悪口を言い合っている奥さんとの仲も、なかなかに睦まじい。
「こんなに美味しいお好み焼きは初めてです」、と職員たちの評価も満点であった。
また連れていってやることにしよう。
さて、明日から東京に出張しなければならない。
帰りは明後日の夜になる予定。