■ 櫻

aquio2008-03-29


某女子大の付属幼稚園に出かける。
阪神高速の渋滞が予測される。
一時間の余裕をもってアパートを出発したら、
時間通りに着いてしまった。
駐車場に車を停め、園の辺りをブラブラと散歩する。
墨痕鮮やかな「未生流」の看板を掲げた家があった。
その家の板塀の際には一本の櫻が植えられていた。
「見越しの松」ならぬ「見越しの櫻」。
櫻は六分咲き、というところであったが、
板塀の佇まいと相俟って、実に艶やか。
濃厚な美しさが感じられる。
私の妻は、この大学の付属高校から同大学に進んだ。
クラブ活動に向かう女子高生たちが、
櫻の枝の下をお喋りしながら通り過ぎていく。
緑色のリボンがついた濃紺のセーラー服。
「あの制服を着て、妻もこの道を歩いたのだろうな」、などと感慨に耽る。
キャンパスには、大学設立当時の旧校舎が保存されていた。
こちらの櫻もなかなかに美しい。
「学び舎の櫻」といった風情が、
ふと、小学生であった頃の子どもたちの姿を思い出させる。
「見越しの櫻」が女性であるなら、「学び舎の櫻」は子どもたち。
どちらも同じ種類の櫻なのだが、、
背景が違えば、こうも違って見える・・・。
午前十時、おもちゃのワーク・ショップが始まる。
大勢の子どもたちや、そのお母さんたちを前にして、
積み木の遊び方を披露しながら、
積み木に込められている数学や幾何学の概念を平易な言葉で伝える。
遊びに集中できる子は勉強にも集中できるはず。
さて、何人のお母さんが理解してくれただろうか・・・。