■ 糸瓜・へちま
今朝から岡山の職場に出ている。
出ているといっても、
今晩中にはH君を連れて神戸に帰らなければならない。
あまり天気がいいので、
花見を兼ね、
近くの公園の売店に煙草を買いに出かけることにした。
職場では皆が働いているが、
私がいない方が、皆のモチベーションは上がる。
きっとそうに違いない。
サボるにも一々理由付けが必要なのであるね。
山里の春は遅い。
染井吉野はその盛りが過ぎていたが、
八重桜の蕾はまだまだ固い。
売店には山根のTちゃんがいた。
Tちゃんに会うのも久しぶり。
コーヒーを飲みながらお互いの近況を確かめ合ったのだが、
相変わらず、この売店のコーヒーは不味い。
インスタント・コーヒーの方がはるかに美味いのだから、嫌になる。
代金を払おうとして、
カウンターの上に「糸瓜」が置いてあることに気付く。
Tちゃんに訊くと、「お客様へのお土産」、という返事。
で、五個ほど頂戴することにした。
昔、我が家の庭にも「糸瓜」が生っていた。
「糸瓜」の皮を薄く剥き、ぶつ切りにした「糸瓜」を味噌汁に入れる。
その滑りけのある食感はあまり美味しいものではなかったように記憶しているが、
ひょっとしたら、調理方法が拙かったのかもしれないな。
昔は、この「糸瓜」でよく身体を洗ったものだった。
その繊維が柔らかくなるまで湯に浸しておき、
柔らかくなった「糸瓜」に石鹸を塗りつけて身体を洗う。
タオル以上に垢がよく落ちるような気がしたものだった・・・。
昔、「糸瓜水」は女性の化粧に使われていた。
「糸瓜」の実を採った後、
その茎を一升瓶などの口に入れておくと、
一晩で一升瓶が溢れるほどの「糸瓜水」が取れた。
取れた「糸瓜水」を近所のオバチャンたちに売り、小遣いを稼いだ。
懐かしい思い出・・・。
今夜は「糸瓜」で身体を洗ってみようか。