■ 今夜はうな丼!

aquio2008-04-20

狒狒退治や大蛇退治で有名な「岩見重太郎」と、
長谷川伸の名作「番場の忠太郎」。
その二つの物語をごちゃ混ぜにしたような人形劇、
「今夜はうな丼!」を観る。
人形を操るのは、
「飯室康一」さん率いる人形劇団「みのむし」の方々。
家の手伝いもせず、
チャンバラごっこで遊んでばかりいるネズミの「チュー太郎」。
その「チュー太郎」が瞼の母を尋ねて旅に出る。
旅の途中、「チュー太郎」は鰻屋の親父に、
「大鰻に命を狙われている娘を救ってくれ」、と頼まれる。
鰻屋の親父を演じるのは、眉毛の濃い「牛」。
牛丼屋ではなく、鰻丼屋の親父の役を「牛」が演じるのであるね。
娘のモモ子を助けるため、
「チュー太郎」は恐る恐る大鰻と対決する・・・。
旅を終えた「チュー太郎」が家に帰ると、
母親がうな丼を用意して待ってくれていた、という物語。
狒狒退治や大蛇退治は講談の中の物語ではあるが、
「岩見重太郎」は豊臣秀吉の家臣であった実在の人物。
「番場の忠太郎」については、
若山富三郎」主演の映画を子どもの頃に観た憶えがある。
我々の世代にとってはどちらも馴染みのある物語なのだが、
如何せん、現代の子どもたちには、いったい何のことやらさっぱり分からない・・・。
そこで、「岩見重太郎」と「番場の忠太郎」の解説が必要になってくる。
その解説を受け持つのが、
甘いもの大好きな「キャンディーちゃん」と、激辛大好きな魔女の「ゲキカーラ」の二人。
何と言っても、この「ゲキカーラ」の作りが秀逸であったな。
「ゲキカーラ」の顔は「赤唐辛子」。
首には「赤唐辛子」のネックレス、腰には「赤唐辛子」のベルト。
太い眉がピクピクと動き、口からは辛辣な言葉がポンポンと飛び出す。
世の中の出来事をすべてパロディにしてしまう、
その「飯室」さんの感性にはいつも感心させられてしまう・・・。
「飯室」さんにお聞きするところによると、
現在、新作のパフォーマンスの準備が進んでいるとのこと。
あの「藤田嗣冶」によく似た「藤田似/フジタニ」画伯が、
観客のリクエストに応じてその似顔絵を描く、という路上パフォーマンス。
その人形の写真を見せていただいたのだが、実によく出来ている。
まさしく「フジタニ」であるな・・・。
夏休み、神戸の職場で演じていただけるよう、予約を入れる。