■ 取材

aquio2008-04-24

某テレビ番組に出ることになる。
番組の基本的なコンセプトは、
「時代は本当の豊かさを求めている」
「高級なブランド品に身を包むのが豊かさではない」
「高価な食べ物を食べ歩くのが豊かさではない」
「上質で潤いのある人生を提案したい」、
「彩りに満ちた豊かな人生を過ごしている人を紹介したい」
「軽い番組が多いなかで、きらりと光る番組に育てたい」
「本当の豊かさとは何かを番組を通じて訴えたい」、
というものであった。
私が彩りに満ちた豊かな人生を送っているとは思えないが、
上記のコンセプトが本当であれば、
「テレビもなかなかいいコトをやるようになったじゃないか!」
「私の仕事を真正面から受け止めていただけるのであれば」、
とその取材をお受けすることにした。
過去にも取材の依頼は幾度もあったが、
しかし、そのほとんどはおちゃらけ番組であり、
その番組に出ることによって、
積み重ねてきたすべてのモノやコトが台無しになってしまいそうな、
そんな気がして、依頼のほとんどを断ってきた・・・。
某番組からも、過去には何度も出演の依頼があった。
その道のプロのチャンピオンを決定する、という内容の番組。
思い上がっているワケではないが、
出演する審査員たちを審査する立場にあっても、
彼らから審査される覚えはない、と多忙を口実に断り続けてきた。
ま、そんなこだわりを捨ててしまえば名も売れるのだろうけどさ・・・。
ドイツ・ザイフェンに住むおもちゃ職人から聞いた話だが、
彼のアトリエにも日本のテレビ局が取材に来たことがあったらしい。
「このおもちゃの上にあのおもちゃを接着して欲しい」とか、
「このおもちゃの色をこう変えて欲しい」とか、
テレビ局のクルー達はいろいろと注文をつけてきたらしい。
激怒したおもちゃ職人は、
「それは私の仕事ではない」
「それでは私の作るおもちゃではなくなってしまう」、とクルー達を追い返してしまった、という。
なかなかに骨の太い職人ではないか、と思う。