■ FERDINAND THE BULL

aquio2008-04-29

N君は家具を作る職人。
そのN君から端材をいろいろと頂戴してくる。
椅子の腕にあたる部分の端材を角に見立て、
牛のからくり人形を作った。
顔と耳はその辺りに落ちていた板を再利用。
口の部分は建設現場に落ちていた板。
舌はポカリスエットのアルミ缶。
背板は、ホームセンターで買った集成材を加工した。
ハンドルを回すと、
牛の口は反芻するようにモグモグと動き、
ハンドルを八回ほど回すと、牛が「モー」と鳴く。
出来上がったからくりを職員たちに見せたところ、
「実に長閑ですね」とか、
「なんだか牛にからかわれているみたい」、などという反応が返ってきた。
牛が「モー」と鳴いたとたん、皆一様に「プッ」と吹きだす。
狙いどおりに出来上がったように思える。
で、からくりのタイトルを「FERDINAND THE BULL」に決める。
あれは何年前に観たアニメだったろうか、
ディズニーのアニメに、「雄牛のフェルディナンド」というのがあった。
原題は「The Story of Ferdinand the Bull」、だったと思う。
闘牛のくせに闘牛士と戦うのが大嫌い、という雄牛の物語。
闘牛場の片隅に咲く花を愛する「フェルディナンド」が、
尻を蜂に刺されて驚き、猛烈な勢いで闘牛士を倒していく、
というような物語だったと記憶している。
二年ほど前にも同じようなからくりを作ったが、
今回のからくりは、二年前に作ったモノの改訂版にあたる。
改良すべきところはすべて改良した。
六枚の歯車のあたりもずっと滑らかになった。
個展用作品の一丁出来上がり。