■ 授乳

aquio2008-05-10

乳母車を引いた女性から、
「この辺りに授乳室のある喫茶店はありませんか?」
「レストランでもいいです」、と訊ねられる。
「赤ちゃんにおっぱいを飲ませてやりたい」とのこと。
乳母車の中では
生後間もない赤ちゃんがギャーギャー泣いている。
さて、困った・・・。
私には授乳の経験など無いから、
授乳室のある喫茶店の存在など、一軒も知らない。
そんな喫茶店、あるんだろうか・・・?
女性と話し合っている最中、
ふと、「授乳喫茶」の開業を思いつく。
しかし、名前が名前であるから、
「勘違いしたマザコンの男どもが入ってきそうであるな」、と開業を断念する。
ま、ほとんどその女性の話を聞いていなかった、ということなんだけどさ。
閑話休題
仕方がないから、ビルの五階の小部屋を使っていただくことにした。
母親が赤ちゃんにおっぱいを含ませるシーンなど、
昔はいたるところで普通に見かける情景であった。
しかし、その頃とは時代が違うから、
「その辺りの木陰で飲ませてあげればいいじゃん」、などと言えたものではない。
赤ちゃんにおっぱいを含ませている女性の姿を見かけた時など、
「眩しいもの」を見たような、そんな気になったものだった。
本多勝一」が著した本に「しゃがむ姿勢はカッコ悪いか?」、というのがある。
いわゆる「うんこ座り」だが、
その、人がしゃがむ姿勢も、昔はいたるところで普通に見られる情景であった。
しかし、今では悪ぶった若者の中にしか、その姿は見ることができない。
母親が赤ちゃんにおっぱいを含ませている姿も、
しゃがんで列車やバスの到着を待つ人の姿も、
近頃はめっきり眼にすることがなくなってしまった。
生活スタイルの欧米化に大きな原因があるのだろうな・・・。
本多勝一の本をもう一度読み直してみよう」、と思う。