■ 日本語

aquio2008-05-19

ミュンヘンのGさんから
「I can't understand this text well. Can you ?」
と書かれたメールが届く。
Gさんは日本人の女性でいらっしゃるが、
二十年以上に亘り、ドイツに住んでいらっしゃる。
「海外に長年住んでいるせいで日本語の読解力が落ちてきた」
「どういう意味の日本語であるか教えて欲しい」、
ということであるらしい。
で、添付されていたテキストを開いてみると、
漢字と平仮名、そして片仮名は用いられているものの、
そこには意味不明の日本語らしき文章が綴られていた・・・。
まず、「てにをは」の使い方に間違いが多い。
次に、「の」を連続して使いすぎている。
助詞である「の」の使用が多すぎるから、
その「の」がどの言葉にかかる「の」であるかが理解されにくい。
また、言葉の二重表現も気にかかる。
「注文を依頼する」などと書かれているが、
この部分などは、「注文する」だけで十分に意味は通じるはず。
私が小学生であった頃、
「いにしえ昔のさむらい武士が馬から落ちて落馬して骨を折って骨折した」、
という、二重表現を戒める例えを先生に教えてもらったことがあるが、
ま、これと似たような表現が、その文章には多い。
また、同じ「音」を連続して使いすぎているのも目障りであるなぁ・・・。
日本語の場合、「主語」を省略しても十分に意味は通じるが、
その人や事物の名称の代わりに用いられる、
いわゆる「代名詞」がどこにも用いられていないから、
いったい誰が何をどうして欲しいのか、もさっぱり解らない。
私は六十年に亘り日本人をしているが、その私ですら、この文章は解りにくい。
脳が考え、手が文字を書き、目を通して脳がそれを確認する。
脳と手と目は連動しているのだが、
Mは人一倍お喋りであるから、脳は口と連動しているものの、
脳と手を結ぶ線はどこかで切れているのかもしれない。
明日はMに注意を促すことにしよう。
人は言葉を用いて考える。
からくり人形のデザインや構造を考えるシーンにおいて、私はいつも大阪弁で考える。
「このギアとこのギアを組み合わせたらこう動くんとちゃうやろか」とか、
「ちゃうちゃう、そんなことしたら動かんようになるやんか」とか、
馴染みのある言葉を用いることで思考も滑らかになる。
そんな気がしてならない。
この「はてな」の日記を書くシーンにおいては、
私は大阪弁を標準語に変換して書くことが多い。
そういう意味で、私は「バイリンガル」なのであるね。