■ oeuf / うふ

aquio2008-06-30

アトリエには様々な形状の端材が溜まる。
例えば、
厚み九ミリの集成材を切り抜いて歯車を作った場合、
その歯車を切り抜いた後の集成材には使い道がない。
しかし、根が貧乏性であるから、
「これも何かに使えるんとちゃうやろか」、
などといつまでもグズグズと捨てられないでいる。
結果として、それら端材を使うことは二度とないのだが、
一年も経つと、
何箱もの段ボール箱に端材が溜まってしまうことになる。
時折、小学校で美術を教えているT君などがやって来ては、
それら端材の入った段ボール箱を持って帰ってくれる。
奇妙な形の端材が多いから、
子どもたちはそれらを使ってファンタジーの世界で遊んでいるらしい。
例えば、前述した歯車を切り抜いた後の端材などは、
ライオンのたてがみに見立てて遊ばれていたりするらしい。
なるほど、ライオンのたてがみと言われれば、確かにそう見える。
子どもは見立て遊びの達人であるなぁ・・・。
過日、「遊びと玩具研究会」の世話人でいらっしゃるTさんから、
「端材があったら頂戴な」、という電話があった。
段ボール箱三箱分の端材をお送りしたところ、
今朝、そのTさんから美味しいクッキーが送られてきた。
埼玉県深谷市の焼菓子工房「oeuf / うふ」のクッキー。
端材のお礼であるらしい。
酒の世界においては、雑味のない酒のことを「柄が良い」と表現するが、
こんなに「柄の良い」クッキーを食べたのは、本当に久しぶり。
雑味がまったく感じられない。
いい材料を使い、一つ一つ丁寧に作られたクッキーであることが分かる・・・。
「うふ」とはフランス語で「卵」を意味する言葉であるらしい。
今夜は美味しい紅茶を淹れることにしよう。
Tさん、有り難うございました。