■ 扇風機

aquio2008-07-07

私の部屋はアパートの三階にあるから、
西側と東側、二ヶ所の窓を開け放しておけば、
六甲山からの風が通り過ぎていってくれる。
しかし、昨晩は暑かった。
窓を開けても室内に風が入ってこない。
まったくの無風状態・・・。
押入れから扇風機を引っ張りだし、
冷蔵庫で冷やしておいたスイカを食べる。
しかし、それにしても暑い。
冷凍庫に入れておいたアイス・クリームを食べる。
あれだね、アイス・クリームは宇治金時に限るね。
子どもの頃、近くの駄菓子屋ではカキ氷が五円で売られていた。
カキ氷にメロン味のシロップをかけて食べるのが好きだった。
真桑瓜/ まくわうり」しか食べたことのない田舎の子どもたちにとって、
「メロン」は高嶺の花であった・・・。
今様に言えば、「メロン」という言葉には「セレブ」の香りがした。
真桑瓜」のことを関西では「まっかうり」と表現するが、
「黄色い瓜がなんで真っ赤なんだろう?」、と訝しがっていたものだった。
カキ氷は店のオヤジが作ってくれたが、
シロップがけは子どもたちに任されていた。
シロップをかけ過ぎると氷が解けていってしまう。
逆に、シロップの量が少ないと、ちっとも甘くない。
その塩梅が難しかったな・・・。
小豆の入った宇治金時は十円。
当時の子どもたちにとって、宇治金時は高価な食べ物であった。
「食い物の恨みは深い」と言うが、
食いたくても食えなかったモノは子どもの頃から山ほどある。
あの頃の恨みを今になって晴らしているような気もするが、
ま、「江戸の敵を長崎で討つ」、というような話ではあるね・・・。
それにしても、一向に風が吹かない。
ジッとしていても汗が噴出してくる。
一風呂浴びることにした。
浴槽にぬるめの湯を張り、ゆったりと浸かる。
風呂上りにベランダに扇風機を持ち出し、冷蔵庫で冷やしておいたビールを飲む。
短パン一枚の格好で寛いでいたのだが、
ジジイの一人暮らしであるから、どこから見られても構いやしない。
「夕涼みよくぞ男に生まれける」、であるな。