■ 盛り

aquio2008-07-10

先日から妻と母がアパートに来ている。
母の身長は約一メートル六十二センチ。
体重は優に七十キロを超える。
大正生まれの女としては、ま、大柄といえるだろう。
また、歳のせいか、母はトイレがとても近い。
深夜、トイレに向かう時間はとても正確で、
ほぼ決まった時間、三度に分けてトイレに向かうのだが、
身体が大きいから、その足音もまた大きい。
ドス・ドス・ドス・・・(寝室からトイレに向かう時の音)。
ドス・ドス・ドス・・・(トイレから寝室に戻ってくる時の音)。
その度に眼が覚めてしまう。
一昨夜もその足音ですっかり眼が覚めてしまい、
台所でボーッと煙草を吸っていたら、
「なんや、まだ起きてたんかいな」
「身体に悪いからはよ寝なあかんで」、と母は優しい声をかけてくれた・・・。
一方、妻の声も母に負けず劣らず大きい。
妻と母が話し合っているところなど、私には双方が喚きあっているとしか思えない。
右側からは妻の喚き声、左側からは母の喚き声。
そして、正面からはテレビの大音声・・・。
あれで双方の意思が通じ合うというのであるから、不思議としか言い様がない。
「喋るのを止めるか、それとも、テレビのスイッチを切るか!?」
「どっちか一つにしていただけませんか!?」、と恐る恐る切り出したところ、
どうやらその一言が母の逆鱗に触れてしまったようで、
プイと横を向いたきり、口を利いてくれなくなってしまった。
その翌晩の食事の質素なことといったら。
明らかにいつもより品数が少ない!
心なしか、ご飯の「盛り」も少ないように思える。
今朝になって、
「明日の夕方には岡山に帰るさかい」
「これであんたもゆっくりと眠れるやろな」、と母が言う。
あくまでも私のことを気遣ってくれる母なのであった。
画像は岡山の職場に展示している、ドイツ「Kathe Kruse/ケテ・クルーゼ」社の人形。
その青い瞳の深さといったら・・・。
母の顔写真ではない。
念のため。