■ 虹

aquio2008-07-28

岡山の職場は岡山県下最高峰「後山」の中腹にあり、
下界の暑さとは無縁の世界なのであるが、
今日は朝から異様に暑い。
「こりゃぁ一雨来るな」、と思っていたら、
夕方からバケツをひっくり返したような雨が降ってきた。
百メートル先の景色が見えないほどの豪雨。
おまけに、雷まで鳴り出した。
音は一秒間に約三百四十メートルほどの速度で進むから、
稲妻と雷鳴の間隔が三秒ほどであれば、
雷は約一キロほど離れたところにある、と思っていい。
その稲妻と雷鳴の間隔が徐々に狭まってくる。
かえって気持ちがスッキリするほどの豪快な雷雨。
念のために、とコンピューターの電源を落としたとたん、
事務室のどこかで「バチッ」という音がした。
チェックしたところ、電話は通常通りに通じるがインターネットが開かない。
どうやらハブの辺りに過剰な電流が流れたようである。
ひょっとしたら、ハブはもう使い物にならないかもしれない。
雨上がりに外に出てみると、空には見事な「二重虹」がかかっていた。
「二重虹」を見るのは実に三年ぶりのことだが、
過去にこれほどまで見事な「二重虹」は見たことがない。
「主虹」と「副虹」の間が暗く見える。
職場から百メートルほど離れた自宅に戻ると、家の中は停電していた。
どうやらブレーカーが飛んでしまった模様。
配電盤の主幹スイッチを入れなおすと、明かりが戻ってきた。
昔、私がまだ小学生であった頃、自宅の隣にはクリーニング店があった。
で、夕方になり、このクリーニング店の作業が終わると、
途端に自宅の電燈の照度が上がる、ということが毎日のようにあった。
時には、碍子に取り付けられたヒューズが飛んでしまう、なんてこともあった。
切れてしまったヒューズを取り外し、
新しいヒューズを適当な長さに切って取り付ける。
父が不在の時には、ヒューズの取替えは長男である私の仕事であった。
「長男なんだから」、「お兄ちゃんなんだから」、
とたったそれだけの理由でいろいろな家事を手伝わなければならなかった。
洗濯機が普及していない時代、洗濯板で下着の洗濯をしたこともあった。
神戸に戻る車の中で、その頃のことをいろいろと思い出す。
楽しく懐かしい思い出の数々・・・。