■ 浄土寺
今日は兵庫県の小野市に出かける。
約百人の子どもたちを対象に、
針金を使った手作りおもちゃ教室を開催したのだが、
何しろ相手は疲れることを知らない子どもたちであるから、
一緒に遊んでいる内、頭がクラクラするほどに疲れてしまった。
午後三時、教室は終了。
担当の方々と一時間ほどの会話を楽しんだ後、
国宝の「浄土堂」と「阿弥陀三尊像」を見るため、
近くの「極楽山浄土寺」に出かける。
この寺を訪れるのはこれで二度目だが、
時間が時間であるから、
今日は西日に照り映える「三尊像」を見ることができるはず。
「三尊像」は東大寺南大門の「金剛力士像」の造営に関わった「快慶」の作。
実に雄渾な作風であるなぁ・・・。
中央の「阿弥陀如来像」の高さは五メートルを超え、
左右の「観音菩薩」と「普賢菩薩」の像は四メートルほどの高さがある。
西側の窓から差し込んだ夕日は床に反射し、
床に反射した光が壁や天井に反射して、
薄闇の中に「阿弥陀三尊像」を浮かび上がらせる。
「三尊像」の蓮華座の下には雲が表されていて、
堂の西側の窓から日が差し込むと、
西にあるとされる極楽浄土から「三尊」が雲に乗って現れる、
という、実にドラマティックなシーンが再現されるように設計されている。
また、西日が堂内に差し込んだ時、堂内の柱が痩せて見えないよう、
すべての柱は、その中央部がわずかに膨らんでいる。
いわゆる「エンタティス」。
実に素晴らしい・・・。
堂内には私だけ。
仏と一時間ほど対峙していただろうか、
「そろそろ閉堂です」、という管理者の言葉で我に返る。
駐車場への道をゆったりと歩いていたら、
有馬温泉のKさんから、
「Nさん(私のこと)今どこにおるん?」、という電話が携帯にかかってきた。
現実の世界にいきなり引き戻されてしまった・・・。