■ 友あり遠方より来る

aquio2008-08-23

Hさんが東京からやって来る。
Hさんの本業はパッケージ・デザイナーなのだが、
あれはもう十年ほど前のことになるだろうか、
「テレビ・チャンピオン」という番組に出演し、
ペーパー・クラフト部門の
初代チャンピオンの座を獲得してからというもの、
「段ボールのおじさん」と呼ばれることが多くなってしまった。
彼と会うのは十ヶ月ぶりのこと。
前に会ったのは、神戸ビエンナーレの会場においてであった。
彼とはかれこれ二十年ほどの付き合いになるが、
その容貌は二十年前とほとんど変わらない。
変わったところといえば、
頭髪が薄くなり、
髪と髪の隙間から頭皮が見えるようになったことだろうか・・・。
彼とはもの作りを通じて親しくなったのだが、
会えば、話はいつも昔の仲間たちのことに及んでしまう。
話は変わるが、
イギリスには「TOY MAKERS GUILD / トイ・メーカーズ・ギルド」という任意の団体がある。
テディベアを作る作家、からくり人形を作る作家、子どものための抱き人形を作る作家・・・。
様々なおもちゃを作るアーティストたちの集団だが、
今、「その日本版を立ち上げよう」、という動きが一部にある。
「TOY MAKERS GUILD JAPAN」。
ま、その動きに私も一枚噛んでいるのだが、
夜、Hさんとその「TOY MAKERS GUILD JAPAN」について話し合う。
「それは面白いね」
「しかし、俺たちはもう歳だからね・・・」
「ここはひとつ二十代、三十代の若い人々に頑張ってもらいたいね」、
という部分で意見は一致したのだが、
木工の世界に限っていえば、二十代、三十代に優れた作家がいない。
「TOY MAKERS GUILD JAPAN」は学生たちのサークルではない。
ただの親睦団体で終わらせるつもりもないのだが、
さてさて、ここでも後継者が不足しているのだ・・・。
「立ち上げは簡単だが、継続が難しいね」、という部分でも意見は一致した。
後継者を育てるに、我々が力を貸すのは吝かではないのだが、
後継者たちにその力がなければ、どうにもこうにも時代は動かない・・・。