■ AAA・その2

aquio2008-09-22

現代的なからくり人形の制作工房
「 Arima Automata Association 」を立ち上げたのは、
この七月二十四日のことだった。
立ち上げを記念して、
有馬温泉のギャラリーで展覧会を開いたのだが、
時期が悪かったのか、場所が悪かったのか、
それとも、我々の力不足であったのか、
訪れてくださるお客様はほとんどいなかった・・・。
多分、それは我々の力量不足が原因であったのだろう。
ところが、吉凶は糾える縄の如しの例え通り、
この十一月、西宮にオープンする阪急百貨店から、
大型のからくり舞台の注文を頂戴する。
横幅二メートル、奥行き二メートルのからくり舞台。
西宮といえば「恵比寿神社」。
海に関わりの深い町であるから、
海と恵比寿をモチーフにしたファンタジーの世界を展開することに決まる。
海が舞台となる物語といえば、
ガリバー旅行記」「人魚姫」「浦島太郎」「ピノキオ」・・・といったところだろうか。
なにしろ一辺が二メートルもあるから、
人形の数も相当に用意しなければ隙間が埋まらない。
舞台の頂上では、鯛の背中に乗った「恵比寿」が魚釣りをしている。
鯛の口が大きく開き、胸鰭がパタパタと前後し、尾鰭が左右に大きく動く。
背中に乗った「恵比寿」は海に糸を立垂れるのだが、
どういうワケか、釣れるのはいつも長靴ばかり・・・。
舞台の正面には、リリパットに流れ着いたガリバーが何艘もの船を引っ張るシーンを再現しよう。
右側には、亀の背中に乗った浦島太郎を配置しようか。
鯨が大きく口を開けると、中からゼペット爺さんが現れ、
釣竿を突き出して魚を釣る、というシーンはどうだろうか・・・。
からくりの制作には時間がかかるが、
プランの段階においても十分な時間をかけなければならない。
地域に密着した百貨店であるから、
毎日のようにやって来る子どもたちも多いことだろう。
「何度訪れても楽しい」。
そんなからくりを作ってみたい、と思う。
「AAA」を立ち上げて初めての仕事であるから、失敗は許されないのであるね。