■ 整理・その51 / オシェ

aquio2008-10-13

この十九日頃から、
イタリアに住むスイフト夫妻が来日する。
私のアトリエの近くに四ヶ月ほど住む予定だが、
彼らが住むための家の大掃除をスタッフたちがしてくれた。
以前、スタッフたちの寮として使っていた家だが、
どこから手をつけていいのか、
と困惑を覚えるほどに家の中は散らかっていたらしい。
その掃除の最中、ゴミの中から「オシェ」が出てきた。
「どこにやってしまったのか?」、と捜していたもの。
「オシェ」は柳の小枝で編まれたガラガラ。
「オシェ」は「hocher」、つまり、「揺する」という意味。
この「オシェ」の中には、七つの小さな石が入れられている。
「オシェ」を振ると、小石がこすれる可愛い音がする。
フランスの伝統的なガラガラではあるが、
もう、この「オシェ」も現在では作られていない。
「CE/Europian Conformity」、
「ヨーロッパ安全基準」が設けられてからというもの、
その安全基準をパスしないモノは販売できない、
ということになってしまった・・・。
「オシェ」に入れられていた七つの小石には、
七つの大罪」という意味がある。
「傲慢」「色欲」「強欲」「暴食」「憤怒」「怠惰」「嫉妬」の七つ。
「オシェ」には、「この子が七つの大罪を犯すような子に育たないように」、
という親の心がこめられている・・・。
「二度と手に入らない」、ということで、二個持っていたはずだが、
さてさて、残りの一個が見つからない。
多分、私のアトリエのどこかに転がっているのは確かなのだが・・・。