■ 送別会

aquio2008-10-28

Sさんが退社することになった。
今日はその送別会。
午後七時、湯郷温泉の「珍竹林」に関係者があつまる。
Sさんは七年の長きに亘って勤務してくれた。
彼女がいないと職場も困ったことになるのだが、
辞意も固いようであるから、
これ以上引き止めるワケにもいかない・・・。
「辞めてどうするの?」、と訊くと、
「東京のU社への就職が決まっている」、という。
もともと東京志向の強い女性であったし、
芯の強い女性であるから、
ま、東京でもなんとかやっていけるに違いない。
おもちゃの業界では著名なU社ではあるが、
U社にとって、Sさんは強力な戦力になるに違いない。
手塩にかけて育てた娘が商売敵の店に嫁いでいってしまう・・・。
そんな気がしないでもないが、
Sさんの人生はSさんのものであるから、
ま、仕方がない。
嫁ぐ以上は、そこにおける生活を全うするしかないだろうね。
それにしても、
十四年の間にいったい何人の若者を送り出したのだろうか・・・。
皆、新天地を見つけては私のもとを去って行く。
もっとも、彼らとはそれで完全に縁が切れた、というワケではなく、
何かと都合を見つけては、時折私のアトリエを訪れてくれてはいる。
信頼されているんだか、信頼されていないんだか・・・。
花屋と大工、
その仕事の内容には天と地ほどの違いがあるが、
仕事には常に人が関わってくる。
人との関わりという点においては、花屋も大工も、その内容に違いはほとんど無い。
転職を重ねたところで、人との関わりはどこも似たようなものだろう。
Sさんの実家は湯郷の近くであるから、
里帰りの折には、ぜひとも顔を出して欲しい、と思う。