■ 徹夜・その2

aquio2008-11-25

明日はいよいよ「西宮ガーデンズ」のグランド・オープン。
今日中に現場でからくりを作り上げなければならない。
昨晩中に部材はすべて搬入しておいたのだが、
H君に言わせると、
「まだ出来上がっていない部品が幾つかある」、らしい。
どうやら、H君は昨晩も徹夜したらしい・・・。
顔色がまるで紙のように白い。
血の気がほとんど感じられない。
「大丈夫か!?」と思ったが、
今一番大事なことは「間に合わせる」ということであるから、
それには気付かないフリをすることにした。
組み立てている最中、細々としたトラブルが幾つも発生する。
ハンドルが軽く動かない。
亀を乗せるためのシャフトが思ったように動かない・・・等々。
過日、私たちはからくり人形の制作集団「Arima Automata Association」を立ち上げたばかり。
その第一作目となる記念のからくりであるから、
失敗するワケにはいかない。
また、私たちを信用して注文をくださったE氏の顔を潰す、というワケにもいかない。
仕事には多くの人々の思惑が複雑に交差するものである。
しかし、仕事を請け負った私たちにとって、
まず第一に配慮しなければならないことは、「納期に間に合わせる」、ということに尽きる。
第二に、「依頼主が希望している以上のモノを作り届ける」、ということにも気を配らなければならない。
しかし、いいモノを作ろうとすればするほど、
からくりの制作には金と時間がかかっていく。
ま、それは何の制作の現場でも同じなんだろうが、
利益の幅が徐々に薄くなっていくからといって、それを口実にするようなことがあってはならない。
だったら最初から請けなければいいのであるね。
いいモノを作るから次の注文が入ってくる。
とにかく、目の前にぶら下がった仕事を確実に一つずつ片付けていくしかない。
で、フと後を振り返った時、
なんだかすごいコトになっているのが、それが一番カッコイイことのように思えてならない。
とうとう徹夜になってしまった。
とうとう納期には間に合わなかった・・・。
さて、この落し前はどのようにつけたらいいのだろうか・・・。