■ MUSTANG FASTBACK・その3
目覚まし時計の針を六時半に合わせていたが、
五時半には目が覚めてしまっていた。
いつになく今朝は目覚めがいい。
気分が少し高揚している。
今日はマスタングの高速走行を試すことにしていた。
「中国道が渋滞していたらどうしよう?」
「オーバー・ヒートが心配だな」
「クーラント液は補充したっけ・・・?」
「エンジン・オイルの量は十分だったよな・・・?」
「ブレーキ・オイルは・・・?」
いろいろと考えているうち、昨夜はあまり眠れなかった。
まるで遠足に出かける前の小学生のようだと、
我ながら可笑しくなる。
午前六時半、
マスタングのエンジンをかけ、岡山の職場に向かう。
今日はゴールデン・ウイーク後半の初日。
中国道は混みあっていたが、流れは比較的スムースだった。
ラジエターの冷却機能は正常に作動しているようである。
水温計の針はピクリとも動かない。
電圧計の針は12から14ボルトの間を行ったりきたりしている。
油圧計にも異常は見られない。
すべては順調。
走行車線を60マイルのスピードをキープして走る。
サービス・エリアで二度の休憩をとった後、
午前八時半、職場に到着。
一般道に入ってから気付いたのだが、
後輪がバウンドした時、
後輪が外側に流れようとする癖が、どうやらマスタングにはあるみたい・・・。
楽しいロング・ドライブだった。